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3.3.1.6.2 過負荷
COTSソフトウェアは、機能を詰め込み過ぎて性能を低下させている場合がある。ベンダに対して、機能単位に分割すること(モジュール分割)を求める。
3.3.1.6.3 COTSの性能及び信頼性見きわめの難しさ
この見きわめは非常に難しく、コストのかかる作業であるから、COTS採用に当たってのコスト対利点の分析で、吟味しなければならない。ベンダとの共同作業(モジュール分割、アップグレードにともなうインパクトの分析等)
3.3.1.6.4 COTSの適切な組み込み及びCOTSとのインターフェースの難しさ
この面では、多角的なトレードオフが必要になる。開発アプローチに適したツールの使用が必要である。
3.3.1.6.5 COTSの適切な組み込みレベル設定の難しさ
カスタムソフトウェアは、COTSの中味に関与しないように設計し、COTSが将来アップグレードされるような場合の影響を最小化しなければならない。
3.3.1.6.6 組み込まれたCOTSソフトウェアからの監視情報等の収集の難しさ
ATCシステムのような、高信頼度を要求されるリアルタイムシステムでは、COTSを含む各システム要素から、監視やシステム分析の情報を取り出すことが必要になる。選定に当たってこれらの機能をチェックするか、又はベンダと交渉してカスタマイズする必要がある。
このほか、オーブンであることの保証、ベンダサポート、要求を満たさない場合の処置等、前もって対策を必要とする項目がある。
文献
40th Annual Air Traffic Control Associtation Conference Proceedings September 10-14, 1995

 

3.3.2 ARTSにおけるモードSレーダと現行レーダの追尾精度の比較について

平成10、11年度にモードSと管制システムとの接続実験が予定されているが、ARTSにおける導入効果について、簡単にEXC肌を用いてシミュレーション実験した結果を説明する。なお、簡易的な予備実験で厳密なものではない。(厳密なデータは数学的に解析するか実験回数を繰り返して統計的集計が必要である。また、他の飛行パターンについても検討する必要がある。)しかし、この計算でおおよその傾向はつかめると考えられる。
3.3.2.1 実験条件
レーダーの精度は標準偏差の値としてATCRBSの場合、レンジ誤差0.006?、方位誤差0.132度と仮定する。(過去に一度調査した結果より)SSRモードSの場合、レンジ誤差0.006NM、方位誤差0.036と仮定する。(電子航法研研究報告書より)
シミュレーションの飛行はレーダー中心より30NM真北の方向から270ノットの等速で90度の方向に3分間飛行し1分で180度旋回し、1分直線飛行し、1分で180度旋回して、元の針路

 

 

 

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